アスマト族の彫刻芸術は、簡素な道具で複雑な形状を作り出すことで知られています

  • 2023.4.12

アスマト族の彫刻芸術は、簡素な道具で複雑な形状を作り出すことで知られています

彫刻芸術は、インドネシア全土で比較的人気のある美術の一形態です。インドネシアのほとんどの地域には、それぞれ独自の彫刻芸術の形態があります。

 

バタク族、ニアス族、ジャワ人、そしてパプア人など、彫刻芸術を持つ地域があります。パプアは、文化的背景を持つ民族の彫刻芸術の種類が豊富で、中でも最も人気があるのがアスマト族(インドネシアのパプアにある一族)の彫刻芸術です。アスマト族の彫刻芸術は、パプアの他の部族とは異なる表現の特徴を持っています。

 

Aneka Ragam Kasana Budaya Nusantara(インドネシアの文化的特徴を収めた書籍)第1巻によると、アスマト族の彫刻芸術は先史時代以来、代々受け継がれてきました。時代の発展と外部との交流の存在が、アスマト族の芸術の発展に影響を与えました。外部の要因に限らず、アスマト族の芸術の発展には内部の要因も関与しており、他の彫刻芸術に独自の特徴を与えています。

アスマト族の彫刻芸術は、表現や信仰の形式としてアスマト族の社会で使用されています。アスマト族の信仰には、祖先の霊を含む超自然的な存在が重要な役割を果たしています。また信仰の表現としての彫刻芸術の他に、芸術家の魂の美意識や美的感覚を満たす手段としても使用されています。


これらの背景から、アスマト族の彫刻芸術には、信仰に関連する彫刻芸術と、美的表現に限定された彫刻芸術の2つの大きな種類が存在しています。

 

信仰の表現としての彫刻芸術は、先祖や動植物と関連があることが多いです。アスマト族の彫刻芸術家たちが作り出す先祖の彫刻芸術は、通常「mbis」(ムビス)と呼ばれ、人間が動植物と組み合わされたものが多いです。


その中には、立っている木や倒れた木など、祖霊の形をした植物の彫刻芸術も含まれます。木が立っている場合や枝分かれしている場合、祖先の霊を表す人間の彫刻が彫り込まれていることが多いです。アスマト族の彫刻芸術に使用される素材は、一般的に木材や石材です。ただし、腐りやすい木材が使用されることもあります。

 

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