Tutu プロフィール
インドネシアで注目のコンテンポラリーアートアーティストTutuの新作を、2023年3月9日から12日まで、東京国際フォーラムで開催される日本最大のアートフェア「ART FAIR TOKYO」に合わせて日本・インドネシア同時販売いたします。
これを記念して、Tutuの人となりを知るために、MISSAO ARTと対談を行いました。Tutuの作品へのひたむきな姿勢が、日本の皆様に伝われば幸いです。
①簡単な自己紹介をお願いします。
私は、インドネシアのジャカルタを拠点に2000年から活動しているアーティスト、Tutuです。私の制作プロセスはストリートアートのジャンルから始まり、現在はコンテンポラリーアートの領域で作品を制作しています。
2014年から2015年頃、自分の作品をメッセージ性、視覚的な美しさ、技術などの面でより深く楽しんでもらうためにはどうしたらいいかを考えました。それをきっかけに、さまざまな展示スペースに足を運ぶようになりました。そして現在に至るまで、フェスティバル、展覧会、アートフェアなど、さまざまな形のアートイベントに参加し、国内外のブランドや施設とのコラボレーションも行ってきました。
私の作品は、漫画、ゲーム、音楽、写真、玩具などの趣味の影響を受けています。ヒューマニズムと社会問題は、私の作品のテーマの一つです。
2021年末、インドネシアのシニアキュレーターの一人が私の作品のスタイルを特定し、私のスタイルをRetro Futurism Deco Realismと呼称しました。
②日本に行ったことはありますか。行ったことがある場合は、どこに行きましたか。またそれはプライベートの旅行ですか、仕事ですか。
日本には、秋葉原、上野、日本橋、浅草などに行ったことがあります。この時は、プライベートでした。残念ながら、日本のすべての地域を訪れることはできませんでした。日本は私に多くのインスピレーションを与えてくれる国の一つなので、いつかまた訪れたいと思います。
この時の主な目的のひとつは、ショッピングでした。ファッションブランドのストリートカルチャーが集まる街や、クラシックゲーム機が購入できるお店、お寺、美術館などを訪れました。
シンプルでディテールにこだわる私としては、日本では1つのスポットを回るのに1〜2日かかると感じるほど、楽しめる要素が多いのです。シンプルでありながら、細部まで楽しめる場所が多いからです。
③日本の印象、日本から影響を受けたこと、日本人アーティストの印象等について何かあれば、教えて頂けますでしょうか。
日本の漫画、ゲーム、アニメ、音楽、ファッションなど、大好きなブランドがたくさんあり、とても刺激を受けています。私は、日本人の仕事に対する姿勢、考え方、コンセプト、技術力、アウトプットを、独自の特徴を持つ全体的なものとして捉えています。
④MISSAO ARTに参加してみようと思った理由について教えて頂けますでしょうか。
2022年10月にMISSAO ARTのチームと直接お会いして、文化、食べ物、そして協力について多くのお話を伺ったとき、この協力は、オープンさ、相互尊重、理解に基づいたインドネシアと日本の文化紹介にも繋がると感じ、最終的に私とマネジメントチームは一緒に仕事をすることに同意しました。
⑤最近のアーティスト活動について教えて頂けますでしょうか。
2023年は、個展の準備と、「Tutu B-Side」という自身のブランドでインテリアやホームデコレーション製品が好きな人に向けた商品をリリースすることに注力しています。
また、ジャカルタや海外でも展示会を続けていくことと、いくつかのブランドとのコラボレーションも続けていきます。
⑥これまでのアーティスト活動の中で印象に残っているプロジェクトや展覧会があれば、教えて頂けますでしょうか。
それぞれのプロジェクトや展覧会には、私にとってどれもユニークです。その中で、まずは自身の作品「TRANSFORMATION」、「Redrum」、「The Essentials」についてお伝えします。
「TRANSFORMATION」というタイトルの作品は、解剖学的なパーツの構成と色を組み合わせて動きを出すという、ユニークな視覚的手法がある作品の一つです。
「Redrum」というタイトルのアートプリント作品も、私にとってはスペシャルな作品のひとつです。細かな線によるビジュアルを使って表現した作品です。この作品には、3色(白、黒、金色)の絵の具を使用しました。
「The Essentials」というタイトルの作品は、私にとって意味のある思い出の品々を使って構成した作品です。すべてのオブジェクトは、私が望むビジュアルを形成するために配置しています。この作品では、シンプルな小物に感謝し、解釈することが幸せをもたらすということを表現したいと思い、制作しました。
次に、私の思い出深いプロジェクトについて、少しお伝えします。
ある日、テクノロジー企業のCEOから、オフィスに飾る作品の制作を依頼されました。彼は、私に制作の自由を与えてくれましたが、私は彼に、コラボレーションを提案しました。
私のコンセプトは、キャンバスやウッドパネルに描かれた絵画とテレビを一体化させるというものです。テレビには、私のコンセプトをモーショングラフィックに応用しました。彼は、センサーシステムとアルゴリズム、そして作品を見ている観客の性別を認識するハードウェアを提供してくれました(認識されれば、テレビ上のモーショングラフィックは観客の性別に応じて変化します)。
私は以前、キャンバス作品に拡張現実を活用したことがありますが、他の分野やメディアとコラボレーションすることは常に興味深いことです。なぜなら、そうすれば、以前よりずっと大きなことができるからです。
最後に、車の改造フェスティバルで、日本の国際的なカーブランドと出会い、コラボレーションをしました。そのブランドは、私に1台の車を直接ペイントすることを依頼してくれました。通常、このようなプロジェクトでは、ステッカーのような手法で車に装飾をすることが多いのですが、この時は車に直接ペイントを施しました。そうすることで、車の形や機能をより実感することができ、さまざまなことを、作品のコンセプトに取り込むことができました。
⑦今後のアーティスト活動について、目標や、やりたいこと等があれば教えて頂けますでしょうか。
より長くじっくりと鑑賞でき、より多くの人にメッセージやインスピレーションを与えることができる、恒久的なパブリックアートを制作することが目標のひとつです。
また、様々なタイプの展示スペースや美術館での展示、多分野のアーティストとのコラボレーション、そして同じビジョンを持つ様々なブランドとのコラボレーションも行っていきたいと考えています。
⑧最後に、日本の方々に向けて、何かメッセージがあれば、教えて頂けますでしょうか。
私の作品を通して、日本の多くの方々に、私の作品に関する物語やメッセージ、インスピレーションを伝えることができれば幸いです。
2023.3.3